ダンス・ウィズ・ウルブズ(Dances with Wolves)は1990年のアメリカ映画。製作会社はオライオン・ピクチャーズで、監督・主演・製作はケビン・コスナー。第63回アカデミー賞作品賞ならびに第48回ゴールデングローブ賞 作品賞受賞作品である。
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Dances with Wolves (1991) / ダンス・ウィズ・ウルブスのあらすじ
1863年秋、テネシー州は南北戦争の激戦地と化しており、北軍の中尉であったジョン・ダンバーはその中で右足に重傷を負う。その足を切断されると思ったダンバーは意を決して馬を駆り、自殺的行為とも取れる囮となって南軍兵士達の注意を逸らした。その隙を突いた北軍は一斉に進撃を開始し勝利を収めた。その後囮としての功績を称えられ一躍英雄となり、見返りとして自由に勤務地を選ぶ権利を与えられたダンバーは、「失われる前にフロンティアを見ておきたい」とサウスダコタ州のセッジウィック砦への赴任を直訴。見渡す限りの荒野と荒れ果てた「砦」で自給自足の生活を始めた。
開拓と食事、そして愛馬のシスコと「トゥー・ソックス(2つの靴下)」と名付けた狼と戯れる生活が続いていたある日、スー族インディアンがシスコを盗みに来たため、ダンバーは銃(全裸)で威嚇して追い払った。自らの集落で「不思議な生活をしている白人がいる」との報告を受けた彼らは、部族の将来のためにもダンバーと接触を試みたほうがよいとの結論を出した。またダンバーもインディアンとの接触を望んだ。翌日、軍服に身を包み星条旗を掲げたダンバーはインディアンの野営地へと向かった。その道中、大怪我を負って倒れている女性と遭遇。インディアンの服装を身に纏っていたがよく見ると彼女の目は青い色をしていた。ダンバーがその女性を助けようとすると彼女は恐怖に震えながら必死に抵抗した。しかし怪我が悪化し意識を失ってしまったため、ダンバーがスー族の集落まで彼女を送り届けた。
当初集落の者達は白人に対する先入観からダンバーに不信感を抱き彼を拒絶したが、彼の人柄を見込んだ酋長の計らいで、後日それぞれ「蹴る鳥」「風になびく髪」と呼ばれる二人の男を返礼も兼ねてダンバーの元に遣った。言葉も通じない自分たちを受け容れたうえ精一杯持て成すダンバーに、集落の中心的人物でもある「蹴る鳥」は好感を抱いた。以降、スー族の面々は頻繁に彼の元を訪れ、またダンバーも先住民族である彼らに白人文化を伝えようと試みることで徐々に互いの友好を深めていった。
言葉がなかなか通じず、もどかしい思いをしていた双方の通訳を買って出たのは、ダンバーが以前助けた「拳を握って立つ女」と呼ばれる青い目の女性である。彼女は幼いころ、スー族と敵対するポーニー族に家族を殺され逃げ延びたところをスー族に拾われ育てられた。そのため、ダコタ語を問題なく話す一方で、幼いころに身につけていた英語はたどたどしくなっていた。それでも彼女の養父である「蹴る鳥」とダンバーの助けにより意思の疎通が図れるようになった。
ある夜、凄まじい物音で目を覚ましたダンバーが外に出てみるとそこにはバッファローの大群が群れを成して移動していた。バッファローはスー族にとって命の糧である。ダンバーは急いでスー族に報告。スー族は歓喜に沸き、目撃者であるダンバーは一躍彼らの知るところとなった。翌朝ダンバーはスー族と共に狩りに出た。毛皮と角だけ剥ぎ取り死体を放置する白人の暴挙に心を痛めながらも、神聖な儀式でもあるスー族様式の狩りに参加する中でダンバーは今まで感じたことのない安らぎを覚えるとともに自分とはどんな存在であるかということに目覚めていく。
交流を深める中でダンバーは「拳を握って立つ女」を愛し、また彼女もダンバーを愛し始めていた。しかし「拳を握って立つ女」は前の夫を殺された後から喪に服していたため仲間の前で想いを悟られないように努めていた。それに気づいた養母は「蹴る鳥」に、「拳を握って立つ女」がダンバーと深く愛し合えるように彼女の喪を明けさせることを提案。「蹴る鳥」も快諾しやがてダンバーと「拳を握って立つ女」は結婚し自らのティピーも授かった。さらに、ダンバーは部族民同様に「シュンカマニトゥタンカ・オブワチ(「狼と踊る男」。砦でトゥー・ソックスがダンバーに戯れていたところを、スー族の男に目撃されたことから)」というインディアン名までもらい、スー族の一員となると同時に一人の人間としての誇りを取り戻す。
やがて冬が到来し、山籠りするために集落を移動する日が来た。しかし、ダンバーはスー族の足取りを白人に知られないよう、日々の出来事を克明に記録した日記を取りにひとりセッジウィック砦に戻った。ところが砦には既に嘗て自らが所属した騎兵隊が大挙しており、インディアンの服装を身に纏っていたダンバーは狙撃され捕虜となってしまう。騎兵隊出身であるということを明かしたダンバーに対し騎兵隊は反逆者として処刑を宣告する。なかなか帰って来ないダンバーの身を案じたスー族の戦士たちがダンバーを捜索すると、彼を護送する馬車を発見。奇襲攻撃を仕掛け、ダンバーの命は救われた。しかし、インディアンの大量虐殺を目論む合衆国軍は目前まで迫っていた。これ以上仲間たちに迷惑をかけるわけにはいかないと感じたダンバーは、別れを惜しむスー族に背を向けながら愛する妻を伴って雪山の奥深くへと分け入っていった。
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